しがない会社員が背伸びして一年だけインターナショナルスクールに通った結果〜という生あたたかい目で見てもらえればと思います。
どうしてインターナショナルスクールはそんなに人気なの?
一般的には、親が海外で働くことが決まっている親や、帰国子女にとって都合がいいとは聞きますが、この人気はそれだけではありませんよね。海外に行く予定のない子までインターナショナルスクールに通っていて、どこも人気でウェイティング(キャンセル待ち状態)です。
どうしてそんなに人気なのでしょう?わたしもそれが疑問で、もしかして日本語の幼稚園や保育園にはない特別な天才育成プログラムがあるのかと思って他のインターママに聞いてみたら、単純に「英語がしゃべれるようになってほしいから」という声が多かったのに驚きました(それだけ!?)。
教育内容はスクールによって違いますが、スクール内はイングリッシュオンリーで、生徒同士の会話も英語。基本椅子に座り、小さいうちは英語の歌を歌ったり、ハサミのり絵具を使って工作したり、園庭で遊んだりして過ごし、年長くらいになると自ら発言したりもするようです。自ら主張することを重んじているように感じます。
あとは、日本語の保育園や幼稚園に比べて圧倒的に親の出番が少ないですし、通っているのはある程度の裕福な家庭の子ばかりなので「保育園はちょっと…」という親が保育園代わりに利用している例もありました。ちなみに、仕事を持つ母と専業主婦は半々くらいだそうです。
裕福な家の子が多いって本当?
本当です。インターナショナルスクールの駐車場は高級車ばかり。レクサスやメルセデスベンツ(しかもゲレンデなど大きい車種)が狭い駐車場で何度も切り返していました。
新車が見たかったらインターナショナルスクールに行けばいい、と言われるくらい、新しい車も多いようです。
それもそのはず。まずインターナショナルスクールの学費だって高いんです。
週5で通えば一カ月10万円は下らない…。中にはバス代と給食費込みで月50万円という、目玉が飛び出るような学費のところもあるといいます。
それだけではなく、たいてい塾や習い事も掛け持ちしていますので、いったい総額でいくらかかっているのか…想像しただけで恐ろしいですね。しかもその額を未就学児にかけるっていうんですから、バブルなのかしらってくらい加熱していますね。
私服の場合、そんな場所にどんな服を着て行ったらいいのか迷いますが、子供の持っているものや着ている服は案外庶民的。西松屋のお布団セットや水筒、GAPの服など、なんでもかんでも高級志向なわけではなく、消耗品や一時的にしか使わないものにはお金をかけないという感覚も持っているようです。
もちろん、ブランド物の子供服を着ている子も大勢います。
両親が日本人なのにアメリカ国籍を持っている子がいるのはどうして?

よくインターナショナルスクールに通わせている子のインスタなどを見ていると、子供が日本とアメリカの両方の国籍を持っていることがあります。
両親は明らかに日本人なのに、どうして二重国籍ができるのでしょうか。
実はそれは、国籍を認める方法が国によって違うことが原因で起こります。
日本は、血筋で国籍を決めます。つまり、親のうちの片方が日本人であれば子供は日本国籍になります。
それに対して、アメリカは出生の土地で国籍を決めます(出生地主義)。アメリカ国内で生まれればアメリカ国籍になるのです。
つまり、日本人の親がアメリカ国内で出産すれば、子供は日本国籍とアメリカ国籍の両方を持つことになります。
一応、海外で生まれた後、領事館に出生届を提出する時に国籍をどちらにするか選択することもできますが、たいていは国籍留保(国籍をまだ選ばないこと、出生届にレ点するだけ)し、本人が成人してから国籍選択の届け出(義務)をします。つまり、20歳(21歳だったかな?)までは二重国籍で過ごします(違法じゃないですよ)。
とはいえ、仕事などの事情があってアメリカにいるのでなければ、普通に観光ビザは3カ月だけです。そうでない人は、妊娠が分かってから、あえてアメリカで出産しようとして渡米していることになりますよね。一応、国籍取得目的の渡米は認められていないので注意する必要があります(産気づいたら仕方ないけど)。
産後すぐ帰国することはできませんから、妊娠8ヶ月くらいで渡米するわけですよね。ある程度のリスクもあるわけですが、セレブなママたちの間で密かなブームになっているようです。
妊婦・産後の身体で、さらに新生児との海外生活に不自由しないのかしらと疑問を持ちますが、そこはセレブですから、ナニーやお手伝いさんはちゃんと手配していますよ。
インターナショナルスクールに通う子の進路は?

インターナショナルスクールを卒業した後は、私立の小学校を受験する子が多いように感じます。スクールの課外授業に小学校受験クラスというのがあって、受験用の勉強を教えてくれる先生がスクールに来てくれるので、それを利用する親が多いです。
地元の公立小学校に通う子もいますが、同じスクール出身の友達がいない状態で公立小学校に入学すると、ギャップに苦しむことも少なくないとか…。インターナショナルスクールに通うような子は、たいてい複数の塾にも同時に通っていて、月曜日から土曜日までびっしりスケジュールが埋まっていることも珍しくありません。普通の小学校の授業が退屈に思えてしまうようです。
小学校もそのままインターナショナルに進む子はあまりいないように感じます。インターナショナルスクールによっては、文科省が必要とする科目をすべて履修することができないため、小学校卒業相当と認められないところもあるそうです。
あとは、このまま英語ばかりでいいのか、と不安に思う親も多いそうです。母語である日本語が不自由になってしまったら、元も子もありませんからね。
バイリンガルを育てようとしてセミリンガル(母語も第二言語も中途半端)になってしまったら…と危惧する気持ちもわかります。
逆に、インターナショナルの小学校に通わせたいがために、小学校入学に必要なリコメンドレターをもらうためインターナショナルの幼稚園を選ぶ親もいます。
インターナショナルスクールに通う子の親はどんな職業?

医師や会社経営者が多いです。
親だけでなくその祖父母も裕福な場合が多く、住んでいる家は祖父名義でローンもなく、教育資金を非課税枠内(1,500万円)で祖父から贈与してもらっている家庭もあるくらいです。
親同士のいざこざが多いって本当?
ママ同士がケンカしているという話はよく聞きます。
子供が原因(例えば怪我をさせてしまったなど)ではなく、単純にママ友お茶会などのスクール外での交流で仲違いしてしまうみたいです(前述の通り、親の出番はあまりありませんので)。狭い世界なので、ママ同士がもともと知り合いだったりすると、さらにこじれやすい…。
圧倒的に美人なママが多いです。服装もシャキっとしているか、もしくはヒラヒラしていて、髪型もキマっているし、ネイルも気を遣っていて、産後太りも育児疲れも感じさせません。生活臭がなく、キレイです。
聞くところによると、お中元やお歳暮にもらった贈答用のフルーツを「余ったから〜」と他のママにおすそ分けしたりするようなやりとりがあるようですが、おすそ分け仲間に入ったことはありません。
インターナショナルスクールは、子供の問題で親が呼び出されることは滅多にありません。子供のお友達に怪我をさせてしまった(引っかいたり叩いたり)ときも園内で解決してくれるので、よくある幼稚園のように「〇〇さんのお母さんに電話しておいてください」など言われることはありません。
一年でインターナショナルスクールを退園した理由は?

わたしも夫も英語が話せないからです(爆)
スクールの先生は、三分の二が外国人。迎えに行ったときに、外国人の先生に英語で話しかけられても、ちんぷんかんぷんでした。
もともと、保育園に落ちて代わりの保育施設を探しているときに、インターナショナルスクールに興味があったので通い始めたのです。インターナショナルスクールでないといけない理由はありませんでした。
1歳児を預かってくれるところは少なかったので助かりましたが、満3歳になれば幼稚園という選択肢がありますから、日本語の幼稚園に転園しました。
一年間通って学習の成果は?
子どもが覚えた英語は「baabaa(メーメー、羊の鳴き声)」、「apple」、イヤイヤ期が「no!no!」など、でしょうか。
親も周囲も日本語ですし、そもそもまだしゃべり始めたばかりなので、たいして英語学習の成果は感じません。
記憶の奥底に残ってくれて、成長してから多国籍の視点を持ったり、外国人アレルギーみたいなものを持たないようになってくれればそれでいいです。
これから、格差が広がる社会になると言われています。高年収の親を持つ子は、将来裕福になるという調査結果もあります。
よくテレビで特集されている逆転ストーリーの成功者も、たとえ幼少期に親が破産して貧乏になったとしても、それまでは裕福な暮らしをしていた、ということが多いです。
ということは、お金持ちには独特の思考回路や行動様式があるんじゃないでしょうか。この先、貧富の差は広がっていくといわれています。子供が将来お金に困らないよう、お金持ちの中に入ることで、その空気を肌で吸収してくれればいいな、と思ったことも実は理由の一つにありました。
インターナショナルスクールに通う子は、物怖じせず、素直でまっすぐでした。その「自信」は、成功の大事な要素なのかもしれません。
新しい園はどんなところ?

インターナショナルは、食事にはそれほど関心が高くないように思います。
もちろん、栄養バランスがとれた給食を用意してくれますが、昼食後の子供の口臭から独特のレトルト臭がしたこともあります。よくお子様ランチで出てくるような、小分けされたふりかけも、出されていたように思います(なぜか子どもが知っていたので)。おやつ(スナック)も、インターナショナルスクールでは市販のお菓子(ホームパイやマフィンなど)が出てきていました。
新しい幼稚園では、地産地消の無農薬野菜を使い、添加物もできるかぎり少ないものを作ってくれます。園内で食べ物を育て、食育もしてくれます。
新しい幼稚園は、園庭も広くのびのびと遊べて、食育にも力を入れていて、自分たちの子育てに合った園を選びました。