「再婚承認を要求します」のあらすじ感想をネタバレありで紹介します。
前回の続き。特別パーティーの顔合わせを兼ねた晩餐会は皇帝ソビエシュと西王国王子ハインリのけんかで終わった。いよいよ新年祭最終日、特別パーティーの日ですが…。
15話
特別パーティーに参加したいと哀れっぽくすがるラスタ。ソビエシュは、自分と皇后の招待客で枠がいっぱいだと言いますが、席を増やせばいいと駄々をこねます。泣き止まないラスタに困り果てたソビエシュは、ナビエを頼ることにします。部屋に呼ばれ席が空かないか聞かれたナビエは、よほどの重要人物が来るのかと思い、頭の中で席を替わってもらう算段をつけようとします。しかしそれがラスタと聞いて時が止まり、筋違いだときっぱりと断って退出します。ナビエが特別パーティーでカフメン大公に声をかけると、初めて返事が返ってきました。ルイフトではイモト(王)の恋人がイモナ(王妃)の目に入ればその場で殺されると言うカフメン大公に対して、ナビエは皇后であっても理由なく人を殺せば裁判にかけられると返します。愚かだと残してカフメン大公が立ち去ると、次にハインリがやってきます。しおれた様子で、なかなか口を開こうとしないハインリ。やっと、友情は文通だけにという手紙を皇后から受け取ったと口にします。
文通相手だとばれていることに驚くナビエ。推測したと説明されますがどこか釈然としません。私だけが友人だと勘違いしていた、としゅんとなるハインリ。常に他人の目を意識しなければならず、誰にも本音を打ち明けられないため気を許せる友人がほとんどいない。一人の人間として正直な会話ができて嬉しかったのだ、とこぼします。ナビエは自分も同じだと声には出さず共感します。ハインリは、ナビエの気持ちを理解し、二人の関係を秘密にしておくとのことを約束するのでした。同じ頃、一般パーティーに参加したラスタは、周囲からほめそやされることに気をよくしていました。守ってくれる人もいるし私を脅す人もいない、ここではラスタも貴婦人よ、と浮かれていた気持ちは、会場である人物を目撃した途端、地に堕とされるのでした。
招待客の枠が一席空かないか聞くにしても、自分から聞きに行けばいいのに、わざわざ部屋にナビエを呼びつけて、しかもその部屋にはカウチだかベッドだかの上で足を崩してるラスタがいるって、ソビエシュに配慮というものはないの?ラスタがナビエのティアラに目が釘付けになっていたのに心がざわざわする。人のものをなんでもほしがるあの女は、いつから皇后の座を狙っていたんだろう。融通利かせて席を増やせと言うような女に国政が務まるわけがない。特別パーティーに参加したいと駄々をこねていたのに、自分から断ったなんて、息をするように嘘をつくし。ここへ来て、この女の本性が見えてきています。この回で、ラスタの内心が描かれています。ラスタは常に脅かされていた奴隷の過去を忘れて、貴婦人として新しく生まれ変わろうとしているようでした。
思わずワイングラスを落としてしまうほど動揺し、手を震わせ真っ青になるラスタ。その見詰める先には、貴族らしき壮年の男性の姿が。二人の関係とは…。
16話
一般パーティーの会場である男性貴族の姿を目撃した途端、側室ラスタは真っ青になり手からワインを取り落とします。その男性貴族の正体は…。
すぐに会場から逃げようとしたラスタですが、例の男性貴族に見つかって嘲笑を浴びせられます。男性はロテシュ子爵。ラスタの奴隷時代の領主で、ラスタが逃亡奴隷だと吹聴します。特別パーティーにいたソビエシュのもとへ騎士団長が来て一緒に会場を出ていくところを、ナビエは目の端に捕らえます。空も暗くなったころ、一般パーティーの会場へと入ったナビエは、会場が慌ただしい雰囲気であることを不思議に思います。侍女がナビエのもとに駆け寄り、昼間にあったことを報告します。ラスタが逃亡奴隷だという話は、以前ソビエシュが否定していましたが、それが事実だったのです。
これ以上巻き込まれたくない、という願いとは裏腹に、ソビエシュに呼び出されます。ベッドに横たわりうなされるラスタ。そのベッドに腰掛けたソビエシュは、しばらく無言でいたかと思えば、こんな状況でも眉一つ動かさない、とナビエを非難しました。すべて持っている君に比べ、ラスタはやっと一つずつ手にしようとしているのに、と。
側室のことは自分の管轄ではない、と距離を置くナビエ。しかし、ソビエシュはいちいち突っかかってきます。すべての元凶がナビエであるかのように責め、果てはラスタを陥れるためにロテシュ子爵を呼んだと言いがかりをつけます。当然、事実無根です。招待状はラスタが皇宮に来る前に送られていたと説明すると、今度は招待状を取り消さなかったことを責めるなど、手が付けられない状態でした。気遣いがない、薄情な、恐ろしい女性だ、などとありとあらゆる罵声を投げつけられたナビエは疲労困ぱいしてふらつきながら自室への廊下を渡ります。そこへ背後から、控えめな声でハインリに呼び止められます。一瞬で背筋を伸ばし、なんでもない顔に戻るナビエ。ハインリはつらそうな表情で伸ばしかけた手を止め、悔しそうにこぶしを握ります。
ソビエシュの言う、ラスタがようやく一つずつ手にしているもの、はもとはナビエのものだったんですけどね。ナビエが努力で手に入れてきたものを、ソビエシュはかわいそうだからとか言って勝手に奪い、ラスタに与えようとしているんですよ。ハインリにはすべて筒抜けです。いいところで現れてナビエを慰めようとします。伸ばしかけた手を引いたのは、皇后が自分の前でその仮面を外すことがないことがわかっているからでしょう。皇后を救うことのできない自分の力不足を悔しく思っているように見えます。
クイーンに会いに部屋へ行ってもいいかとハインリに質問するナビエ。ハインリ(=クイーン)は冷や汗かきます。次回、ハインリはどう切り抜けるのでしょうか。